当協会では、2025年10月に「燕地域中小金属加工企業のデジタル化」フォーラム(委員長:片岡 晃 デジタル・クロッシング・ラボ 代表)を立ち上げ、燕地域における中小金属加工企業のデジタル化の現状、デジタル化の活用方策と課題について、5回にわたり参加委員及び有識者を交えて議論し、2026年5月に活動報告書をとりまとめました。
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活動報告書の要旨
機械システム振興協会では、2022年度の新潟県燕市における金属加工業を対象に取り上げて以来、毎年度、中小企業が集積する「産地」と呼ばれる地域におけるデジタル化を議論してきた。2022年度から3年が経過し、その間の急速な技術進歩は、デジタル化に取り組む際のハードルを大きく低下させていると考えられることから、2025年度は、新潟県燕地域の金属加工業を再度取り上げ、議論することとした。
デジタル化・DXは、まさにこうした課題を解決し、「稼ぐ力」を強化するための手段である。クラウド、IoT、生成AI等の普及進展に加え最近では、変化する環境に対応し最小限の人間の介在の中で独自に判断するAIエージェント(又はエージェント型AI )やこれとロボット等を組み合わせたフィジカルAIも登場してきている。プログラミングの知識に詳しくなくても業務アプリが作成できるローコード/ノーコード開発の出現は、IT人材不足を理由にデジタル化に取り組まないで済む言い訳の余地を減らしている。
更に重要なことは、効率的に情報を収集し分析してくれる生成AI は、企業規模による情報格差を縮小させ、迅速な意思決定という優位性を有する中小企業が大企業と同じ土俵で競争することを可能にしている。
本フォーラムでは、世間で生き残る又は世界に先駆けるという将来のビジョン達成に向けて、目の前に横たわる現実の課題を解決するために役立つという視点を念頭に置いた議論を心掛けた。このため、副題を「稼ぐ力を創る実践例」とした所以(ゆえん)である。ここで紹介した燕地域の多くの取組は、他地域の企業においても、共有できる「等身大」の感覚にあふれているのではないか。

